
結婚相手が決められない婚活放浪者は「情報過負荷」の解消を
情報の渦に飲み込まれる

「情報過負荷」という言葉がある。これは、選択肢が多すぎて、意思決定ができない状態のことだ。人は沢山の情報に触れ、その情報が自分の処理能力を超えたとき、即ち、オーバーキャパシティーに陥ったとき、判断することを止めてしまう。
婚活中の独身男女のみなさんの中に、情報過負荷に陥り、結婚相手が決められなくなってしまった「婚活放浪者」はいないだろうか。結婚を焦るあまり、手当たり次第にいろんな異性と会って選択肢をどんどん増やすものの、それでも決して満足しない。「自分にはもっといい人がいるはずだ」。これが、あなたが唱えるお決まりの文句だ。挙句の果てには、架空(理想)の人物まで自分の選択肢に加えて、エクセルで管理しながら日々悶々とする。きっと、あなたは真面目な人なのだろう。しかし、そろそろ少し立ち止まって、一旦冷静にならなければいけない局面に差し掛かっているのではないだろうか。
情報の集め過ぎは報われない

婚活放浪者のあなたは、自身がこれまでの婚活にかけた莫大な労力、そして、失った時間の存在を改めて思い返して欲しい。確かに、世界中の候補者と出会って、その中から究極の1人を選び出したらなら、その人はさぞかし理想の結婚相手だろう。しかし、あなたは、果たして婚活をするだけのためにこの世に生まれてきたのだろうか。もちろん違う。婚活は、あなたの人生においては助走期間に過ぎない。きっと、あなたの真価は、結婚後の生活においてこそ発揮される。結婚後の幸福を願えばこそ助走期間に力が入るあなたの気持ちもわかるが、さりとて、あなたは既に婚活に十分な労力と時間を注いだはずだ。勢い余って助走期間で自滅してしまっては元も子もない。
それに、たとえあなたが婚活に莫大な労力と時間をかけ、選りすぐりの相手を見つけ出したとしても、あなたがその相手から選ばれる保証などどこにもない。残念ながら、既にあなたは膨大な婚活データベースの一部になってしまっている可能性がある。婚活データベースに組み込まれ、比較の世界に迷い込んだほとんどの婚活男女は敗者になる運命だ。いつまでも一部のモテ男君とモテ子ちゃんの引き立て役を続けていても仕方ない。
情報過負荷に陥ってしまった婚活放浪者の最悪のシナリオは、自分のプライドを守るために、「結婚しない」という選択肢を考え始めることだ。あなたは、過去の婚活で何人もの素敵な候補者をスルーしてきたため、今更、その辺の平凡な人とは結婚できないと考えるかもしれない。3年前、5年前にスルーした人にすら劣るような人では、友人や、先輩、後輩の手前、格好がつかない。その程度の結婚相手では、ここまで年齢を重ねて、独身を貫いた意味がない。あなたのハードルが際限なく上昇し、それに反比例するように異性との出会いの機会が減少すると、最後は「生涯お一人様」を考えはじめるようになる。
既婚者は結婚相手を適当に決めた

筆者が思うに、結婚することができた人達(即ち、既婚者)の多くは、情報過負荷とは無縁の婚活をして、最後は良い意味で結婚相手を適当に選んだ人達だ。既婚者の多くは、決して膨大な婚活母集団データベースから緻密な分析を経て結婚相手を選んだ訳ではない。血眼になって結婚相手を探し回った訳ではない。不完全な母集団を大前提として受け入れ、その中から割り切って結婚相手を選び、前後など考えず、肩の力を抜き、極めて場当たり的な対応で一気に結婚したのだ。
既婚者の多くは、結婚相手を適当に決めたからこそ、その結婚相手を「運命の人」と見なして結婚生活を楽しく送ることができる。つまり、人知を超えた「縁」に結婚相手選びを委ねたことで、結婚相手選びについての自らの責任を免れ、結婚相手に対して過度の期待感を持つことも無く、結果として結婚相手から期待を裏切られることも無く、淡々と穏やかな結婚生活を送ることができるわけだ。
おそらく、真の結婚とは、身近にいる雄と雌が動物的なカンに頼って一緒になるようなシンプルなものなのだろう。人間は所詮は動物だ。もしかしたら、そこでは、雄同士の力比べや争いの一つや二つは起こるかもしれない。それでも、ある程度限られた行動範囲の中で幾つもの番が成立するのだから、そもそも過度に深刻に考えるような取り組みではないはずなのだ。
情報過負荷を解消する

いずれにしても、情報過負荷に陥り、結婚相手が決められなくなってしまった婚活放浪者は、最悪の状況に陥る前に現状を打破しなければいけない。そこで、筆者は、婚活放浪者は、直ちに以下の5つの行動に取り組むことをお勧めしたい。
「①時間を区切る」。ダラダラ婚活を続けていても埒が明かない。婚活を3年も5年10年も続けている人は、既に自分が婚活を行っているかどうかも定かでないことだろう。ここは、気持ちを新たに、本日この日をもって婚活を仕切り直す。婚活は、今後1年内に必ず終わらせる、今後1年内に必ず結婚する、と決めてはいかがだろうか。
「②独身男女が10人以上集まるような婚活パーティーに参加しない」。これ以上大量の候補者と出会っても、あなたの危機感や判断力が鈍るばかりだ。特に、優柔不断なあなたは、必要以上に選択肢を増やして、自らをいじめ抜いてはいけない。これまで100人の異性と出会っても結婚相手を決められなかったあなたは、今後、たとえ1万人の異性と出会ったとしても、やはり結婚は決められない。
「③異性のデータベースを整理する」。スマホに登録している異性を、結婚相手候補、仕事仲間・友人(コンパの企画相手含む)、その他、に三分類し、その他に該当する異性を思い切って全て消去する。その他に該当する異性があなたの婚活に役立つことは100%無い。これは異性の断捨離だ。綺麗さっぱり消去して、あなたを取り巻くよどんだ空気を一新する。
「④生真面目な性格を封印する」。肩の力を抜いて、結婚を思いっきり安直に考えてみる。「とりあえず誰でもいいじゃないか」、「結婚して万一上手くいかなかったとしても、またやり直せばいいじゃないか」、「人生は結婚が全てじゃないし、結婚相手が誰であっても自分の人生には大した影響はないじゃないか」、「結婚相手が誰であっても命まで取られる訳じゃないじゃないか」、「結婚相手が誰であっても自分は自分だ」と。自己暗示にかかるくらい、これらのフレーズを心の中で何度も何度も繰り返し、楽観的な気持ちを植え付ける。
「⑤結婚相手候補の中から消去法で1人の異性を選び出す」。その異性は、少なくとも、あなたが結婚Yesの意思を示せば、相手もYesを出してくれる可能性がある人でなければならない。先ずは、その異性を食事に誘ってみよう。そして、そのまま交際に進めるのであれば、結婚のことは考えずに、とにかく交際してみよう。尚、もし、これまで膨大な時間を使って婚活をしてきたにもかかわらず、選択すべき異性が一人もいない場合は、あなたは自力婚活が向いていない可能性が極めて高い。結婚相談所に登録するか、既に結婚相談所に登録済みであれば、他の結婚相談所にも登録し、心を入れ替えて一から婚活する他ない。
一呼吸置いて前進

一昔前までは、結婚を希望する独身男女は、地域、職場、親戚筋からの紹介等、小さなコミュニティーの中から結婚相手を選んでいた。というより、選ぶしかなかった。想像の域を出ないが、もともと選択肢が限られていた分、情報過負荷になることなど有り得ず、結婚希望者の精神的負担も今のそれと比較しても相当程度軽かったことだろう。それが、いつのまにか情報化社会が訪れ、結婚希望者のコミュニティーは膨張し、複雑化し、結婚相手の選択肢もまるで無尽蔵かのような世界観がやってきてしまった。結婚希望者は、コンパ、パーティー、マッチングアプリ等に翻弄され、混乱する。そして、その混乱が悲鳴に変わる頃、遂に、結婚希望者は結婚相手を決められなくなってしまった。
あまり生真面目に考え過ぎてはいけない。先ずは、情報過負荷の世界から脱却することに全精力を注ごう。そして、一呼吸置いたら、また一歩ずつ前進すればいい。
以上
プロフェッショナル専門オンライン結婚相談所・縁仲
