婚活女性は男性が「割り勘」を選択する本当の心理を見誤るな
男性がそれでも選択する「割り勘」
婚活中の独身女性のみなさんは、男性の言動に絶えず目を光らせ、男性を厳しく吟味している。清潔感、食事マナー(食べ方、好き嫌い)、店員への態度、時間厳守、ファッションセンス、腕時計、靴、体臭等。そして、男性がデート代を100%支払ってくれるかどうかも、無論、強い関心事となる。
デート代を割り勘にする。たとえば、男女二人で食事に行き、一旦男性がお会計を済ませ、その後、男性がその半分を女性に請求するわけだ。男性がそのような選択肢を採ろうものなら、女性からの大ブーイングは必至だ。「えっ、私からお金を取るの」、「デートなのだから少しは格好付けて欲しい」、「ケチケチしている感じがイヤ」、「私の為にお金が使えないの」、と。仮にアンケートを取れば「あり得ない」と言い切る女性が多数派となることだろう。
女性心理からすれば、当然、男性から「おごって」もらいたい。ドアの開閉から、上座へのエスコートから、最後はお姫様抱っこまでを、全て完璧にこなせとまでは言わない。しかし、デートの際のお会計ぐらいは気をつかってもらいたいというのが偽らざる本音だ。「私はそんなに安い女ではない」。これは女性の尊厳とプライドが掛かった重大問題なのだ。無論、広く動物界に目を向ければ、オスがメスに対してアピールするのが自然の摂理。オスは、美しい羽を広げ、給餌し、ダンスし、時にはベットメイキングまでして、メスに対して求愛行動を取る。人間も動物である。女性が男性に一定のアピールを期待するのは極めて当然の感情であろう。
従って、セオリ通りなら、大方男性が支払うことになる。男性としても、端的に言って、女性から良く思われたいし、この機会を利用して自分をアピールしたい。却って、割り勘を提案することのほうが、面倒臭いし、勇気が要る。しかし、世の中にはそれでも割り勘を選択する男性が存在する。女性ウケが悪いなどということは百も承知の上で。「格好付けている自分がイヤ」なのだ。
格好付けないことで格好付ける
ありのままの自分、素の自分で勝負したいと願う実直な男性にとって、格好付けている自分は、どうにもしっくりこない。キザでわざとらしい感じがする。頑張っている自分が却って恥ずかしい。女性から見透かされているような気がする。見栄を張っていると思われたくない。実直男性は、自身の美学に基づいて自身を客観視し、格好付けている自分に敢えてブレーキをかけるのだ。実直男性が割り勘を選択する心理についても、決して金額の多寡からではない。大した金額ではない。払っても大勢に影響ない。それでも敢えて割り勘にする。つまり、実直男性は、格好付けないことによって格好付けているのだ。
このことは、他のケースを思い浮かべてみればよく判る。たとえば、女性のみなさんは、ぶりっ子している女性のことをどう思うだろうか。きっと、わざとらしさが鼻に付いて好感を持たないことだろう。学歴自慢や仕事自慢をする男性はどうだろうか。同様に、鬱陶しくて顔をしかめることだろう。ぶりっ子女も学歴・仕事自慢男も、少しでも相手に良く思われたいとの一心で、一生懸命自分をアピールしている。しかし、このようなアピールの多くは、相手から一蹴される運命にある。実直男性にとって、「おごる」という行為は、ぶりっ子女や学歴・仕事自慢男のそれと何ら変わらない。実直男性は、ぶりっ子女や学歴・仕事自慢男に比べて自身を客観視しているからこそ、「おごる」という行為を封印しているのだ。
男性の心理や人柄に思いを馳せる
筆者は、基本的に、婚活中の男女のデートでは割り勘をお勧めしている。仮に、二人の結婚が成立するのだとしたら、男女の財布は家族の財布として一つになるわけだから、そもそもデート費用の配分の議論にあまり意味はない。反対に、結婚まで至らないのだとしたら、男性の大切なお金は将来の「真の伴侶」のために使ってあげて欲しいし、女性には男性に対して不必要な負い目を感じて欲しくない。そして何よりも、お金の支払い程度のことで、お互いに無駄な神経を使って欲しくない。従って、婚活に真剣な男女であればあるほど、割り勘が相当となる。
さわさりとて、多くの女性のみなさんは、割り勘を選択した男性に対しては熟慮なしに罰点を付けがちだ。もちろん、割り勘を選択する男性の中には、多くの女性のみなさんが念頭に置く「ケチ男」、「お金無い男」、「あなたを試す男」、「あなたに興味がない男」、が多分に含まれるので、あながち間違ってはいない。しかし、割り勘一つで、即NGを出してしまうのは得策ではない。そこで、少しだけで構わないので、割り勘を選択した男性の心理や人柄に思いを馳せてみて欲しい。もしかしたら、その男性は、実は、真面目で誠実で勇気があり、真っ向勝負できるだけの自信があり、自身のことを客観視できる実直男性かもしれない。
格好付ける男性は要注意。本当に格好良いとは限らない。そして、格好付けない男性も要注意。本当に格好悪いとも限らない。筆者は、婚活中の独身女性のみなさんが、男性の本質を見極め、婚活に勝利することを心より応援している。
以上
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