30代婚活男性が安易に「格差婚」を選んではダメな理由とは?
「格差婚」は一にも二にも慎重に
婚活中の30代独身男性のみなさんの中で、自分より格上と位置づけられる女性との結婚、即ち「格差婚」を検討している人はいないだろうか。相手女性は聡明で上品。逆玉も狙える。あなたには魅力的な選択肢に映っているかもしれない。
しかし、筆者は、格差婚をあまりお勧めしない。何故なら、結婚生活が窮屈になり、最悪の場合は喧嘩の絶えない日々になる惧れがあるからだ。特に、30代独身男性のあなたは、一定の社会人経験を経て、既にそれなりのプライドを有している。結婚したのは良いが、妻にマウントを取られ、常に下手に出なければいけないあなたのその姿は、あまりにも残酷な絵面だ。従って、格差婚は一にも二にも慎重に考える必要がある。
筆者は、格差婚には、軽微なものから順に、「①鳶が鷹を生んだ格差婚」、「②親の七光り格差婚」、「③こけおどし格差婚」の三つのケースがあると考えている。以下、内容を確認したい。
①鳶が鷹を生んだ格差婚
鳶が鷹を生んだ格差婚は、あなたと相手女性の間に顕著な格差が存在するケースだ。たとえば、あなたが年収300万円の高卒サラリーマン、相手女性が年収800万円の医大卒女医といったケース。但し、あなたの生家と相手女性の生家の家格には有意な格差は存在しない。
このケースは、基本的には当人同士が納得しているのであれば結婚しても構わないだろう。表面上の格差は認識しつつも、それでもお互いに尊敬し合える部分を有しているのであろうから、あなたはもっと自信を持って良いはずだ。
ただし、相手女性の親(鳶)が、手塩にかけて育ててきた自身の娘に対して過度の期待を抱き、あなたに対して小言や嫌味を含めディマンディングな対応をしてくる惧れがある点には、十分留意する必要がある。
②親の七光り格差婚
親の七光り格差婚は、あなたの生家と相手女性の生家の家格に顕著な格差が存在するケースだ。たとえば、あなたの生家は元々農家で親族の多くがサラリーマン、相手女性の生家は地元の有力者で親族の多くが政治家や株主や会社経営者といったケース。但し、あなたと相手女性の間には有意な格差は存在しない。
このケースは、極めて慎重に進めるべきものだ。何故なら、あなたはあなたと相手女性の間に格差など存在しないと認識しているが、相手女性が必ずしもそのように認識しているとは限らないからだ。より正確に表現すると、あなたは相手女性を「経済的にそこそこ余裕のある親によって何不自由なく育てられ、一定程度下駄を履いて生きてきた、苦労知らずで、実力の伴わない女性」と看做し、相手女性はあなたを「アッパークラスの家庭環境で育った自分よりも格下の操りやすい男性」と看做している惧れがあるからだ。両者のこの潜在的な侮蔑構造は、どこまでいっても埋まらない。そして、この潜在的な侮蔑構造こそが、結婚生活のあらゆる場面において綻びを生じさせる遠因となる。
たとえば、相手女性は、自分に実力がないことは棚上げしつつ、あなたに合わせて生活水準を引き下げるつもりなど更々ないかもしれない。松濤で生まれ育った女性は、多摩地区で建売住宅を買うなど考えもしない。ベントレーの助手席に座って育った女性は、フィットの中古車に乗るなど考えもしない。完全紹介制の割烹料理店に出入りしていた女性は、吉野家の牛丼を食べるなど考えもしない。有名お受験小学校に通い、高級ホテルのラウンジでお茶をし、毎年海外旅行をすることを当たり前としてきた女性は、公立学校も、ファミレスのドリンクバーも、国内のひなびた温泉宿も、完全に拒否するかもしれない。果たして、あなたはこのような環境下でも歯を食いしばって頑張れるだろうか。あなたが相手女性の価値観を否定すれば即喧嘩となることは目に見えている。そして、たとえ、あなたが歯を食いしばって頑張り、やっとの思いで23区に戸建を手に入れ、レクサスを購入し、今半ですき焼きを振舞ったとしても、あなたの評価は精々60点。それでもあなたは、更なる高みを目指して努力を続け、そして、必ずや成果を出すことができるだろうか。
加えて、あなたは相手女性の親にマウントを取られることも覚悟しなければならない。特に、あなたと相手女性の父親との間には、残念ながら、抗しがたい経済格差が存在している可能性が高い。相手女性の父親は、組織を率い、結果を残してきた人かもしれない。相手女性の父親からは「俺と同等の水準まで上がってこい」とのプレッシャーを受けるかもしれない。あなたは、微に入り細に入り、相手女性の父親の判断を仰がなくてはならなくなるかもしれない。無論、あなたの親と相手女性の親との親戚付き合いも、対等な関係とはいかないだろう。
③こけおどし格差婚
こけおどし格差婚は、あなたと相手女性の間に有意な格差など存在せず、あなたの生家と相手女性の生家の家格にも有意な格差など存在しないにも関わらず、相手女性や相手女性の親が、あたかも一定の格差が存在するかのように振舞ってくるケースだ。相手女性や相手女性の親が格差の拠り所としているものは、実に取るに足らないものであり、たとえば、父親が上場企業で働いている、母親が有名女子大を卒業している、都内に一軒家を所有している、先祖は武士、三代前は小金持ち、相手女性が私立中高一貫校を卒業している、留学経験がある、そこそこの企業で働いている、程度のありふれたものだ。
このケースは、決して安易に結婚を選択してはいけない。何故なら、ただの中産階級が少々成功した程度で得るプライドほど、厄介で、質が悪いものはないからだ。相手女性も、相手女性の親も、分をわきまえず、上流階級気取りで、あなたに対して過度のストレスを掛けてくる惧れがある。あなたにとっては、相手女性や相手女性の親をフラットに評価しているところにこのような理不尽なストレスが掛かってくるものだから、たまったものではない。
相手女性は、実力者でもお嬢様でもないにも関わらず、変なプライドと成り上がり意欲だけは旺盛なため、狡猾で、変わり身が早く、利害のみでドライに動く非情な人かもしれない。あなたは、とても心穏やかな結婚生活などは送れず、常に猜疑心を以って相手女性と対峙しなければならなくなるかもしれない。
相手女性の親は、相手女性同様に中産階級であるにも関わらず、見栄っ張りで、自身の娘の言動を盲目的に信用し、変なプライドと成り上がり意欲の強い娘と共にあなたを攻撃する機会を伺っているかもしれない。そして、万一あなたが隙など見せれば、ここぞとばかりにマウントを取り、娘や自分たちの主張をまくしたてるかもしれない。そもそも、こけおどし格差婚は、偽の格差婚であり、真の格差婚とは言えない。果たして、あなたは、あなたの身内から見下され、理不尽な言動を浴びせられるような環境下にあって、それでも歯を食いしばって頑張れるだろうか。
等身大の結婚生活でありたい
あなたが格差婚を真剣に考えているのであれば、相手女性の親の見極めは必須だ。仮に、相手女性の親が人格者であれば、一定程度安心はできる。娘が、勘違いせず、分をわきまえ、ダウングレードされた環境にも順応できるよう、慎重にしつけている可能性が高い。逆に、相手女性の親の言動に何らかの違和感を覚えるようであれば、あなたは格差婚を見合わせる勇気を持たなくてはならない。娘を厚顔無恥でディマンディングな女性に育てた責任の多くは、当然、親にある。相手女性の親自身がお坊ちゃんお嬢ちゃん育ちの場合などは、勘違いの連鎖によって、相手女性がモンスター化している惧れもあり、もはやどうすることもできない。強引に結婚に舵を切ったところで、結婚生活が修羅の道と化すようであれば、何のための結婚か判らない。
ディマンディングな勘違い妻と生涯を共にし、常に背伸びをしながら、顔色をうかがいながら、全く自分らしくない、まるで修行僧のような窮屈な生き方を強いられるのはまっぴらご免だ。あなたも、たまには吉野家で牛丼など食べたかろう。妻から、「私は入ったことがないので」と一蹴され、「なんで私をそのようなところに連れていくの」と叱責されるような結婚生活では辛い。それより、等身大の夫婦二人で手を繋いで吉野家に入り、「この牛丼、早くて、美味くて、安いね」とニコニコ語り合いながら牛丼をほおばれるような結婚生活でありたい。
筆者は、30代独身男性の婚活が成功することを心から願っている。
以上
プロフェッショナル専門オンライン結婚相談所・縁仲