甲信越地方の婚活「山梨県と長野県は屈指の晩婚も高出生率」
甲信越地方の平均初婚年齢と合計特殊出生率
厚生労働省「人口動態統計」を元に、甲信越地方3県(山梨県、長野県、新潟県)の「平均初婚年齢」と「合計特殊出生率」(15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、一人の女性が仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当)を確認する。
2020年の男性の平均初婚年齢は、山梨県31.4歳、長野県31.0歳、新潟県31.0歳、である。また、同年の女性の平均初婚年齢は、山梨県29.5歳、長野県29.2歳、新潟県29.2歳、である。
2020年の合計特殊出生率は、山梨県1.50人、長野県1.53人、新潟県1.35人、である。
全国晩婚ワースト3の山梨県男性
甲信越地方は、男性、女性共に晩婚であり、2020年の甲信越地方男性の平均初婚年齢順位は全国11地域(北海道、東北、関東、甲信越、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州、沖縄県)中10位、甲信越地方女性の平均初婚年齢順位は同8位である。
甲信越地方男性の晩婚はもはや定着している。2020年の平均初婚年齢順位は、山梨県男性が47都道府県中で44位、長野県男性同38位、新潟県男性同38位であり、3県男性が揃って全国ワースト10入りしている。山梨県男性と長野県男性は2010年から一貫してワースト10入りしており、新潟県男性は、近年、順位が下落したことで2020年に全国ワースト10入りした。平均初婚年齢順位の全国ワースト10は、主として関東地方、近畿地方等都市部の都府県が占める傾向にあるが、その中に甲信越地方の3県が割って入る構図になっており、都市部を除けば、甲信越地方が全国で最も晩婚のエリアの一つということになる。
甲信越地方男性の中でも特に晩婚なのが山梨県男性である。2020年の山梨県男性の平均初婚年齢は31.4歳であるが、これは、京都府男性(同31.2歳)や千葉県男性(同31.3歳)をも上回るものであり、東京都男性(同32.1歳)、神奈川県男性(同31.7歳)に次ぐ、全国ワースト3の晩婚年齢となっている。
甲信越地方女性は、男性同様に晩婚であるものの、近年、全国における平均初婚年齢順位が上昇傾向にある。特に、長野県女性の平均初婚年齢順位は、2010年が47都道府県中42位であったものが、2015年40位、2020年26位と上昇している。
合計特殊出生率は一転上位
甲信越地方の合計特殊出生率順位は、2020年においては、山梨県が47都道府県中13位、長野県同11位、新潟県同34位、となっている。
甲信越地方、特に、山梨県、長野県は全国屈指の晩婚であるが、合計特殊出生率は一転して全国上位となる。合計特殊出生率の全国上位は、圧倒的首位の沖縄県(1.86人)を筆頭に、九州地方や中国地方の県等主に西日本の県がランクインするが、長野県、山梨県はこれらに次ぐ順位となる。
同じ甲信越地方にあっても、長野県の合計特殊出生率(1.53人)と新潟県の合計特殊出生率(1.35人)に0.18人の差がある点は興味深い。
以上