近畿地方の婚活「京都府女性を筆頭に男性より女性が晩婚」
近畿地方の平均初婚年齢と合計特殊出生率
厚生労働省「人口動態統計」を元に、近畿地方6府県(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県)の「平均初婚年齢」と「合計特殊出生率」(15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、一人の女性が仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当)を確認する。
2020年の男性の平均初婚年齢は、大阪府30.8歳、京都府31.2歳、兵庫県30.8歳、奈良県30.8歳、滋賀県30.5歳、和歌山県30.1歳、である。また、同年の女性の平均初婚年齢は、大阪府29.5歳、京都府29.7歳、兵庫県29.5歳、奈良県29.4歳、滋賀県29.1歳、和歌山県28.8歳、である。
2020年の合計特殊出生率は、大阪府1.30人、京都府1.22人、兵庫県1.40人、奈良県1.26人、滋賀県1.47人、和歌山県1.49人、である。
平均初婚年齢は京都府と和歌山県で対照的
近畿地方は、全体としては、関東地方、甲信越地方等に次ぐ晩婚地域であり、2020年の近畿地方男性の平均初婚年齢順位は全国11地域(北海道、東北、関東、甲信越、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州、沖縄県)中8位、近畿地方女性の平均初婚年齢順位は同9位である。
近畿地方の中でも一際晩婚なのが京都府であり、京都府男性の2020年の平均初婚年齢順位は47都道府県中42位、京都府女性は同45位である。京都府男性の平均初婚年齢は31.2歳であり、同全国同率首位の山口県(同30.0歳)、沖縄県(同左)と比較すると1.2歳の晩婚となる。また、京都府女性の平均初婚年齢は29.7歳であるが、これは、東京都(同30.4歳)、神奈川県(同29.9歳)に次ぐ全国ワースト3の晩婚年齢であり、同全国同率首位の山口県(同28.7歳)、岡山県(同左)、鳥取県(同左)と比較すると1歳の晩婚となる。
大阪府、兵庫県、奈良県の3府県は、相対的に、男性よりも女性が晩婚となる傾向がみられる。近年、同3府県男性の全国における平均初婚年齢順位は上昇傾向にあるが、同3府県女性の平均初婚年齢順位は引き続き低位に留まっている。
晩婚の近畿地方にあって異例の存在となるのが和歌山県である。和歌山県は全国屈指の婚活優良県であり、男性の平均初婚年齢順位は2010年が47都道府県中4位、2015年同3位、2020年同3位である。また、女性の平均初婚年齢順位は2010年が47都道府県中4位、2015年同3位、2020年同4位である。男性、女性共に、全国トップクラスの早婚が定着しており、他の府県とは一線を画す存在となっている。
滋賀県の全国における平均初婚年齢順位は中位で安定している。早婚エリアの和歌山県と、晩婚エリアの京都府、大阪府、兵庫県、奈良県の中間にあたるポジションと言えよう。
合計特殊出生率も概して低い
近畿地方の合計特殊出生率順位は、2020年においては、大阪府が47都道府県中39位、京都府同44位、兵庫県同32位、奈良県同41位、滋賀県同21位、和歌山県同15位、となっている。
近畿地方の合計特殊出生率は、近畿地方の晩婚傾向に比例する形で概して低く、京都府、奈良県、大阪府が全国ワースト10入りしている。兵庫県は、京都府、奈良県、大阪府と同様に晩婚であるが、合計特殊出生率順位は、他府県と比べて若干上昇する。
和歌山県は全国屈指の早婚であるが、合計特殊出生率順位は全国中位であり、早婚でありながらも合計特殊出生率順位が全国上位とならない点は興味深い。
以上